日記


2002/4/30

昨日した証明は吟味した結果うまく言っていなかったので,ちょっと相談に行ったところ,難しそうなので5次元でちょっと考えてみたら,ということになって,振り出しにもどったというとこまでは行かないまでも,割とげんなりした.
まぁ,間違っていたのだから仕方がない.
逆にいうと,こうやって白黒はっきりつくところがこの分野のいいところでもあるのだから,ちゃんとはっきりとしたことが分かるまで頑張りたいところでもある.

もっとも,この月が始まったときにはちゃんとした問題が見つかるのかどうか,ということさえ怪しかったのだから,そういう問題が見つかったというだけでも,この月は進展があったと思おう.

何か毎日研究ちょこっと話を載せるようにいつの間にかなってしまってるような気もしますが,今日のそういった話は,かなり古いんですが,SIAM Newsの2000年3月号に,「20世紀のアルゴリズムトップ10」というのがあることを(今まで知らなかったのも少し恥ずかしいけども)偶然知ったので,ちょっと眺めてみた.
挙がっているものは以下の通りだった.
リストは年代順に並んでいて,括弧の中身は僕自身が勝手につけた説明なので,舌足らずで不正確であり,また,全く間違っている可能性もあるので,そのときは教えていただけると嬉しいです.

  1. 1946: モンテカルロ法 (乱数を使った数値積分)
  2. 1947: 線形計画法のシンプレックス法 (線形計画法の解法の一つ)
  3. 1950: クリロフ部分空間反復法 (反復法を使って線形方程式を解く)
  4. 1951: 行列計算の分解アプローチ (LU分解とかそういうものの類)
  5. 1957: Fortranのコンパイラ最適化 (Fortranの出現自体が重要だ,と書かれてるように思える)
  6. 1959-61: QR法 (行列の固有値計算)
  7. 1962: クイックソート (再帰的にソート,とってもシンプルで実用的)
  8. 1965: 高速フーリエ変換 (その名の通り高速にフーリエ変換する)
  9. 1977: integer relation detection algorithm: (うーむ,これ知りません.)
  10. 1987: fast multipole algorithm: (これも知らないです.N体問題の計算が何たらかんたら,って書いてあります)
元々このリストはAmerican Institute of PhysicsとIEEE Computer Societyが共同出版しているComputing in Science and Engineeringの2000年1-2月号で紹介されたものをSIAMで紹介してるのだけれども,それが元になっているためか,リストのほとんどが数値計算方面(連続系,というか)のアルゴリズムになっている.
離散系かなと思えるのは,クイックソートとシンプレックス法ぐらいだろうか.
ここら辺の線引きは曖昧だけれども,逆に僕が知っておくべき基本的なアルゴリズムはまだまだあるな,ということも分かってよかった.
ちなみに,2000年のISMPでPulleyblankが「組合せ最適化のトップ10」(こちらは20世紀に限定していない)が発表されて,そちらは僕の記憶が正しければ,
と,書き出してみたら2つ出てこなかったので,ちょっと弱気になって検索したところ,中村大真さんがそのリストを書いていたようなので,そちらを見てください.ということでお茶を濁します.
こうなると,計算幾何とか計算代数の方はどうなってるんだろう,とちょっと気になります.
そういったリストみたいなものってあるんでしょうかね.


2002/4/29

ちょっと研究が進んでいる気になっているけども,どうなのだろうか.
僕が証明できることは簡単なことばかりで,というのはいつものことだからまぁよいのだけれども,こんなことでよいのだろうか.
まぁ,まだ考え始めて2週間ぐらいの問題なのだから,もう少し気長にやろう.

しかし,「少し忙しい方が研究が進みやすい」,というのは少し当たっているのかもしれない.
4月が始まった当初はあまりにやることがなくて,机に向かうのだけれども集中もできなくて,という感じだったのだけれども,ちょっとした忙しさによって,これは今やっておかないと,とかそういう気持ちが割とちゃんと出てきて,そういう意味では集中できる.
後,最近居室のホワイトボードを贅沢に使い始めたというのもよいかもしれない.
やはり,部屋にはホワイトボード.黒板もOKだけども,こういうものは必要.
ノートとか紙に書いていてもだめなんですね,基本的に.
座って考えるというのはあまりよくなくて,立ったままホワイトボードにすらすら書き始めて,考えて,背伸びしたりしゃがんだりして,また書いて,とか,そういった動きがないとアイディアとかそういうものは出てこないんですよね.
ホワイトボードをどのように活用したらよいのか,というのは,どのようなプレゼンテーションがよいのか,というのと同じぐらい重要なのかもしれないので,少し掘り下げてみる必要があるのかもしれない.

一部のところで有名な人にアラン・ソーカルという人がいます.
この人は理論物理学の人なのですけど,どこら辺で有名なのか(というか,僕がはじめて知ったのはどこら辺なのか)というと,科学論の辺りで,そこら辺では「ソーカル事件」というのが何年か前から話題になっています.
その事件といわれているもののこと自体はここでは何も書かないことにしますが,では,ここで書きたいことは何かというと,実は彼は理論物理学の中でも離散数学の雰囲気が最もする物性理論の格子モデルとかそういうのをやってるんですね.
そういうことを全然知らなかったので,論文を検索していていきなりAlan Sokalが出てきたときには少しびっくりしました.
離散数学っぽいこととしてどういうのをやってるか,というと,ある種のグラフの染色多項式(彩色多項式と呼んでいるかもしれない)とかTutte多項式とかの零点の分布という,どこかで平林先生が話していたようなことをやっていて,それは面白そうだ,ということなのです.
しかも,計算機実験とかそういうのではなくて,理論っぽく証明とかあるんですね.
いいですねぇ,僕ごのみですねぇ.
もちろんそれだけが彼の研究テーマではないわけですが,アラン・ソーカルが少し身近に感じられた,という話でした.


2002/4/25

今日のセミナーで,ガードマン問題に擬三角形分割を応用する話を聞いたのだけれども,とても面白かった.
ガードマン問題というのはいろいろバリエーションがあるけども,ここでは,単純多角形の頂点に視界が180度のガードマンを置いて,その多角形の内部全体を監視するには最低何人必要なのかというのを求める問題で,擬三角形分割を使っていままでの上限と下限を改善する,ということだった.

ICMのサテライト会議に出していたものについて,発表してもよいよ,という通知が来た.
ほとんどゲーム理論は休止中だけども,行く前にはしっかり準備をしておかないといけない.


2002/4/24

もうそろそろICMにアブストラクトを出さないと行けない.
ポスターにしようかショートコミュニケーションにしようか迷っている.
どうしようかな.

全然研究のこととは関係ないけれども,今日の昼ごはんのときにEmoから「安部公房は有名な作家か?」と突然聞かれた.
僕が知っている作家だったらだいたい有名なので「そうです.」と答えた.
作品は難しいけど,ちゃんと教育を受けてる日本人なら知ってる,とかそういう感じで答えたのだけれども,この認識はあってるのだろうか.
こんなことを書くとド素人だと思われるかもしれないけれど,僕は安部公房の作品は「砂の女」しか読んだことがないのだ.
実はEmoも「砂の女」を読んでいて,僕よりもちゃんとあらすじを覚えていた.
もっとも僕はすぐにあらすじとか登場人物を忘れてしまうのでよくない.
実は,食事時の話題として,本とか映画の話が割と多くて,僕は映画は見ないし,本もこちらに来てからはテクニカルなもの以外は読んでいない(というか,読めない)ので,こういう話題はなかなか辛いのである.
文庫本をたくさん買って持って来ればよかったと,ちょっと後悔してる.


2002/4/23

ファイバー多面体の構成について勉強.
わかったようなわからないような,というところである.
もっともVic ReinerのサーベイはGeneralized Baues Problemに関するもので,これはこれで面白い.

こういう研究は結局対象としているものから都合がよいものだけを取り出してくるわけだけれども,つまり,取り出し方が重要になってくる.
僕の考えているグラフの向きづけの問題では,どういうものがよいもので,というところの取り出し方がよくわからないので,そこら辺を考えたいのだけれども,まだうまく行かない.
離散凸関数というのも取り出し方がうまいと思う.
しかし,これは今までに知られていたことを十分吟味して出てきたもので,突然バッと現れたわけではない.

何が言いたいかというと,僕が考えている問題については「今までに知られていること」というのが割と貧弱で,そういう基礎的なところを固めていかないといけない,ということだ.
そう思うと研究としてやりがいが出てくるのだけども,いかんせん,...,という感じになっている.
やはりまずは列挙だろうか.
Holt-Kleeによる4-ステップ予想の解決の論文を見たけども,これは結局4次元多面体でファセット数が8のもののリストを使っている.
つまり,すべての可能な多面体に対して場合を尽くして証明しているわけである.
もちろん,その中には深い洞察があるので,誰でもできるというものでもない.
また,数え上げされたのはHolt-Klee論文の数十年前なのである.
こういう基礎研究の積み重ねがいかに大事なのか,ということが感じられる.

実際,僕が考えている問題は,3次元までは非常によく分かっていて,その理由は数え上げがなされているからだ.
その数え上げ自体は70年代の後半にされたものなのだけれども,今でも役に立つ.
ということで,今月の初め頃は4次元に挑戦したかったのだけれども,これを計算機でやっても(今のプログラムのままだと)1年以上かかるということなのだから,もう少しプログラムを工夫するというところに力を入れないといけないかもしれない.
実際,数え上げするだけでいろいろと未解決な問題が解けるような気もするし.


2002/4/22

先週末から自分のやるべきことをいきなり増やしたので,なかなか充実している.

ゲーム理論は放置するはずだったが30分ぐらい考えたら,また自明といわれてしまいそうなことがわかってしまった.
誰も考えないようなことを考えてると思うので(というか,誰も興味がないのかもしれない),はじめのうちはすごく簡単にわかることがどんどん出てくる.
こういううちは何か理論の萌芽のような気がしてなかなか面白いのだけども,自明なことだけでは理論にはならない.
今は「自明性の海」を泳いでるわけだけども,そこから「理論の陸」を発見してそこに上陸していけるのが理想なのかな.
しかし,このたとえだと,世の中の7割は自明なこと,ということだと思えてしまうか.

シェラビリティーの周辺をふらふら.
シェラビリティーそのものが何かアルゴリズムとかそういうところに活かせればよいのだけれども,そうするとシェラブルでないものと比較することになる.
つまり,抽象度が一段上がるわけだ.
実際,USOはinterval partitionに対応していて,A-USOはshellingに対応しているわけだから,そういうところから視界をよくしていきたいのだけれどもそうもならない.
もっとも私のまわりで行なわれているような立方体だけを対象にした話だと,立方体のもつ対称性をどのようにうまく利用するか,というところがポイントになってくるので,もう少し一般的な多面体に対する話との折り合いがつきにくい.
そういうところから気になってくるのはextendable shellabilityである.
これに対応する向き付けの概念は何なのか,とか,これを使うとアルゴリズムが速くなるのか,とかそこら辺が問題になってくる.
しかし,面白いことに多面体の境界は一般にはextendably shellableではない.
また,立方体の極はcrosspolytopeなのだけれども,もっと面白いことは,crosspolytopeの境界がextendably shellableかどうかもわかっていない.
こんな簡単な構造をした多面体に対するちょっとしたことで,素人目にはそれこそ「自明」っぽく見えるのだけれども,実際は分かっていないということなのだ.
多面体の理論はこういう素朴な疑問でもよくわかっていないことが多い,というのがとても面白い.


2002/4/18

OR Lettersはレフェリーの返事が早くて,とてもよい.
返事が早いから,すぐに別の投稿先を探すことができる.
しかし,rejectされたものをそのまま別のところへ投稿するのもどうかと思うので,もう少し違うものと抱き合わせてからにした方がよい気がしてきた.
しかし,ゲーム理論はちょっと片隅においやっていこと思っていたのに,どうすればよいのかちょっと迷ってしまう.
まあ,時間と指導教官が許す限りいろいろとやってみよう.

今日は,ちょっと研究がすすんだ気になれた.
自分で新しいresearch questionを見つけた,ということ自体もよいし,それが割りと意味のあるものだ,というところもよい.
しかも,その問題が難しいところもよい.
うーん,本当はもう少し簡単な問題を見つけたかったのだけれども....
まずは,低い次元(といっても,5次元なのだけれども)のところで証明してみたい.

低い次元,で思い出したので,ちょっとここで書いておくと,トポロジーの分野では「低次元」というと3次元以下のことを言うらしい.
3次元なんて言うと,まだ可視化が容易な範囲なので,ほとんどのことが研究し尽くされてるような気になってしまうけれども,実はそうではないらしい.
実際,ポアンカレ予想という有名な予想があるけれども,その予想は3次元のとき以外は解決されていて,3次元のときだけ未解決になっている.
注目すべきは,3次元のとき「だけ」というところで,4次元以上では解決されているそうなのだ.

つまり,何が言いたかったかというと,「低次元」というような一般的な語句でさえ,分野によっては固定された意味を持つ,ということを言いたかったのです.

今日,授業で演習問題を解いて,ホワイトボードで発表した.
発表自体はあまりうまくなかったし,簡単な(おそらく中学生でも解ける)問題だったので,それほど大したことはなかったのだけれども,こうやって人前で話す,っていうようなイベントがちょっとあるだけで身が引き締まる.
というか,引き締まった.
引き締まってやる気がアップした.
ちょっと今週は低調だったけれども,今日だいぶ回復したのはこれのおかげかもしれない.


2002/4/17

今日はほとんど何もしていない.
というか,何も出来てない.

いったいどうしちゃったんだろうか.
やはり取り組む問題のレベルが高すぎるんだろうか.
階段は一歩一歩上っていかなくちゃいけないのに,階段が見えない.
20段ぐらいを一気に上ろうとするから,そこで無理が出てくる.
ということを繰り返しているだけのような気がする.

最近は超立方体を扱っているわけだけども,超立方体というのがなかなか厄介な存在であることがいろいろ分かってきた.
つまり,存在だけで厄介なのだけれども,どういうことかというと,まず,d次元の超立方体を考えるとその時点で頂点の数が2のd乗になる.
それに対してファセットの数は2dしかない.
こんなことは当たり前なのだけれども,アルゴリズムとかを考えるときに,頂点数の多項式時間のアルゴリズムを作ったとしても,実はそれはdに関しては指数関数になってしまう.
もちろん,凸多面体の上界定理(d次元の凸多面体が持つことのできる最大の頂点数を教えてくれる定理)によれば,それは当たり前だし,多面体のアルゴリズムを考えるときは頂点数は入力のサイズに含めなくて,普通は,次元とファセット数を入力のサイズとするのだから,そういうことに対して今更厄介とか言っているのもおかしいのかもしれない.
しかし,グラフのアルゴリズムでは,入力のサイズは頂点数と辺数で与えられるので,そこら辺で頭が混乱してくる.
実際,僕が扱っているのは超立方体のグラフで,そのグラフの中のある性質を持った頂点を探したいのだけれども,超立方体のグラフの上でグラフのサーチをしても,それは頂点数の線形時間でできるので,超立方体のグラフに対しては次元の指数関数になってしまう.
ということで,グラフに対するpolylog時間のアルゴリズムを持ってこないと,次元に対する多項式のアルゴリズムにならないことになる.
で,実際グラフのサーチは計算量の下界も線形なので,この方法では多項式時間のアルゴリズムがつくれないことになる.
そうすると,一般のグラフに対する一般のサーチのアルゴリズムではだめで,もっと超立方体の持つ構造とか性質とか,あと,その見つけたい頂点の持つ性質や,より詳しく,見つけたくない頂点の持つ性質までも利用しないと,うまいアルゴリズムは見つけられそうに無い,ということになる.

そこでいろいろと考えることになるのだけれども,僕が最近考えているのはh-vectorを利用する,というもの.
超立方体を単純多面体だと思ったときのh-vectorは単純な構造をしているので,それをうまく用いることはできないか,と,いろいろ考えているわけだけども,なかなかうまくいかない.
もしかしたら,デザイン理論とか使えるのかもしれないけども,ここら辺は不明.


2002/4/16

何か今日は現実逃避気味.

一応,赤い本の第1章をメモをとりながら読むけども,結局メモをとらないで読み始めたところと同じところでとまってしまった.
敢えてその場所を明示すると,実現可能でない有向マトロイドの例がでてきて,なぜそれが実現可能でないのか,というところを説明するところ,だ.
もっとも,ここに到達するまでは証明らしい証明などなかったのだけれども,ここでいきなり証明らしい証明がでてきて,ただ単にそれが理由で止まっているのかもしれない.

その他,確率アルゴリズムに思いを馳せるためにYaoの最小最大原理を少し勉強.
この原理自体は,非協力2人ゼロサムゲームの最小最大定理の特殊ケースに過ぎないのだけども,この原理を用いることで確率アルゴリズムの計算量の下界を容易に求めることが可能になる,という点でよい点である.
過去の日記(2001/8/8)にこのYaoさんを知らない,と書いてしまったが,そのすぐ後に八森さんからYaoさんについてメールをもらって,なるほどそういう人なのか,と知ったという,まことに恥ずかしいことをしたわけだけども,つまり,その頃は,確率アルゴリズムの理論についてほとんど何もしらなかったということなのだ.
今は確率アルゴリズムに詳しいとまではいかないけれども,割と向き合っているので,以前よりは基礎的な事柄は習得しているなぁ,という気はする.
しかし,古いものを学ぶだけでは新しいものは見えてこないので,新しいものを見るためには別の努力も必要なのだろう.

うーん,やろうとしている研究のスタイル自体が違うんだろうな,今までと.
いままでは,「自分で新しい問題を見つける」タイプの研究をしてたのだけれども,今しようとしているのは「未解決問題を解決する」というタイプの研究だから,どういう方向性でもっていけばいいのかが,いまいちわかっていないのだと思う.
こういうタイプの研究だと,ほんのちょっとでも新しいことがわかれば,それでよいのかもしれないけれども,いままでにわかっていることっていうのが膨大にありすぎて,何を考えればよいのかがつぶさに判断できない.
もっとも,そのために今までずーっと既存研究の論文を読んできてるわけだけれども,それでも漏れがある.
というのは,ジャーナルに載らないレベルの小さな研究というのが割とあったり,あるいは,一見関係がなさそうなものが実はあったり,だからだ.
あるいは,以前見つけた論文の中に知っておくべき事項が含まれているのに,ちゃんと読んでいなくて,それに気づいていなくて,あるとき見返したときに突然知ってびっくりする,とか.
まぁ,どういうことを言っても所詮言い訳なので,言い訳するぐらいならさっさと研究を進めたいところだ.


2002/4/15

4/12に書いていたアイディアはだめだ,ということになった.
この3ヶ月ぐらいは新しいことが何もわかっていないことになる.
そうなると,やはり,ちょっと焦るわけで,つまり,焦っています.
5月までには何とかしたいところです.
少なくとも目標を見つけるところぐらいまではいきたいです.

今日はせっせとプログラミング.
Grahamの凸包を求めるアルゴリズムに基づいて三角形分割を求めるプログラム.
はじめ,はまっていて,どこにバグがあるのかわからなかったのだけれども,バグの原因は,自分の思い描いていた座標系と画面に描かれている座標系とでy軸方向が逆だったという,割と初歩的なもの.
しかし,気づいたときには目から鱗がでそうだった.
なにしろ,これだけに気づくのに2時間ぐらい使ったのだから.
まぁ,デバッグとはこういうものなのだろう.

最近は,線形計画法に思いを馳せている.
というのは,線形相補性問題はちょっとむずかしいから.
しめしたいことは,はっきりしていて,ほとんどそうなると信じているのだけれども,荒い評価の不等式では全然だめで,もっと詳細な議論が必要なようだ.

で,実は,モース理論にも思いを馳せている.
一応,Chariの論文なんかを読んで,どんな風に活かせそうか,ということを考えてるのだけれども,なかなか思いつかない.

というか,発散しすぎだろうか.
いろんなものに思いを馳せていると,そのうちどこかでよいアイディアが出てくるんじゃないかと期待してるのだけれども,どうやらそうでもないみたいだ.


2002/4/12

昨日寝る前に思いついたアイディアはよいかもしれない.
現在の段階はいまだに予想だし,Hirsch予想よりは簡単な予想だと思えるし,そして線形計画法の組合せ論にも役に立ちそう.
もう少しいろんな例で実際に確認してみて,予想が正しそうかどうかを検証したい.
まずは手計算で小さいところをやってみて,それでもまだ反例がなかったらコンピュータを導入するかな.
しかし,絶対成り立ちそうなものなのだけれどもどうにも証明ができない.
もう少し具体的にいうと,ある事象空間の上の2つの異なる確率分布を考えていて,その事象空間の上のある確率変数の期待値の大小を決めたい,という問題を考えています.
全然具体的ではないですね.
ある種の単調性みたいなものとかがどういう風にでてきて,どう活かせるのか,とか全然わからないので,いろいろ考えてみないといけないです.
反例があったらあったで,それも面白いかもしれませんけど.
ふぅ,なんか研究っぽくなってきたかな.

で,今日は赤い本を読むはずだったのだけども,ちょっとやめて,原稿書きに時間を使った.
7月に東工大である研究会に申し込んだので,それの原稿を書きはじめた.
実際,どんな体裁で書けばよいのかわからなかったのだけれども,とりあえず,6ページということだけ分かっていたので,13ページあった論文を何とか6ページ分に縮小できるかどうかがポイントだった.
ポイントだったのだけれども,難なくクリアした.
削ったのは,基本的な定義ばかりだったので,元の英語論文の方も6ページぐらいにがんばって縮めた方がよかったのかな,とちょっと思い直したりしている.
でも,こちらはもう投稿してしまったのだから仕方ない.
あと,投稿してしまったのだからしかたのないものに誤植をいくつか見つけてしまったので,これは直さなければならない.

他に今日したこと.
凸包を求めるアプレットを作った.
一応,正方形の上に点を一様ランダムにばら撒いて,その凸包を表示してくれる.
実装したのは数値誤差に弱いものなので,たまに間違えたりする.
でも,大体OK.
気になったのは,点の数が多いと,凸包がもとになる正方形とほとんど一致してくる,つまり,凸包の面積がもとの正方形の面積と同じぐらいになってくる.
こういう現象に関して何か知られてることってあるんでしょうかね.
例えば,ランダム点の数を固定したときの凸包の面積の期待値,とか,ランダム点の数を増やしていったときのその面積の増加の仕方とか,そういうことです

赤い本は家に持ってかえって読もうかな..


2002/4/11

なんか思いつくアイディアは幼稚なものばっかりで,なかなかうまくいかない.
昨日の寝る前のアイディアは研究の方向性としてはよかったのだけども,すでに70年代の終わり頃には分かっていたことだった.
自分のサーベイの甘さもちょっと感じる.うむぅ.

ということで,赤い本を手に入れたので,早速読み始める.
まずは第1章で,この章はオリエンテーションセッション.
証明も何もせず,メモもとらずにだらだらと読んでいたら,途端に(といっても,20ページぐらいはいったが)理解不能になったので,やめる.
って,こんな感じではもちろんだめなので,明日はメモをとりながら読むかな.

で,第2章をパラパラ見てみると,外積代数とかコホモロジーとかすごい事になってるんですけど.
2章もオリエンテーションだからあまり気にしなくてよいのか,それともちゃんと抑えていかないといけないのか不明なのが,ちょっと気がかり.
本の最後についてる索引によると,この本にはホモトピーの定義は出てるけども,ホモロジーやコホモロジーの定義はでていないようだ.
こういう事情はHandbook of CombinatoricsのBjornerによる章も同じで,理由はおそらく,ホモトピーの定義は2行ぐらいで済むけども,ホモロジーやコホモロジーの定義は10行ぐらい必要になって,なおかつ,ホモロジーやコホモロジーは定義だけ見ても何の事だかさっぱりわからないからだと思う.
というか,定義だけ見てさっぱりわからないのは僕だけで,実はホモロジーやコホモロジーが手に取るように見えてくる,っていうのが求められているのかもしれない.
むぅぅぅ,大変な分野に来てしまったものだ.

で,あまり大変大変ばかりいっていても仕事にならないので,ここら辺も勉強していくことにしよう.
とりあえずは,ゾノトープ,超平面配置,トープポセット,シェラビリティーといったところが分かればよいので,まずはそこら辺がわかるようになるまでがんばるかな.

あと,今日したこと.
ICMのレジストレーションをした(つもり).
本当にレジストレーションできているのかどうかがとても不安になるようなCGIで,ちょっと怖い.
あと,学生として申し込んだのだけれども,学生はその旨を証明するものを提出すること,ってなってて,それじゃぁ,オンラインレジストレーションの意味がないよなぁ,とかいろいろ不可解.
あと,ホテルレジストレーションもしなくちゃいけないんだけども,どうしようかしら.
どなたか一緒に宿泊しませんか?
学生用の寄宿舎も使えます,っていうのが出てるけども,これはちょっと逃げ越しになってしまう.
エアコンない,とか書いてあって,真夏の北京でそれは厳しいだろう,と.


2002/4/10

凸幾何はいまのところ忘れておくことにする.
いまは有向マトロイドの方が面白い気がするから.
だけども,有向マトロイドっていうのは,マトロイドと凸幾何の両方の側面を持っているので,そういう側面を意識するためにも凸幾何は記憶の片隅にとどめておいた方がよいかもしれないな,とも思っている.

で,何で有向マトロイドなのかというと,ひとつにはゾノトープを理解したい,というのがある.
ゾノトープは構造が単純なのだけれども,その単純な構造からいろいろな理論ができていくのが面白い.
で,どうしてゾノトープを理解したいのか,ということになると,...ここはちょっと秘密です.
たいしたことではないのですけど,研究の方向性とかになってくるので.

そして明日から本格的に有向マトロイドを勉強しようと思っている.
なぜ明日からなのか,というと,注文していた有向マトロイドの本が届いたからだ.
明日引取りにいくつもりなので,楽しみ.
わくわく.

ゾノトープを理解したいひとつの理由として,線形相補性問題を理解したい,っていうのがあるかもしれない.
ゾノトープというよりは,擬超平面配置を理解して,それを通して線形相補性問題を理解したいのかもしれない.
おそらく僕の考えていることはいわゆる「有向マトロイド相補性問題」とは違うと勝手に思っているので,それとは異なる毛色の議論ができたらよいな,と思っている.
けども,そううまくいくのかなぁ.
ここ2週間ぐらいは全然だめで,よい問題を発見することさえできていない.

メールアドレスが変わりました,と送ったメールに書いてあったアドレスが間違っていた.
これはかなり恥ずかしい.失礼しました.


2002/4/9

各方面に(といってもまだ一部だけども) メールアドレスが代わったというおしらせをひらがなのメールで送る。
なんか新しいタイプのSPAMみたいだ。

で、ある方(かりにSさん、とします)からいただいた情報によると、 ある方(Sさんとは別の方、ADさんとします)がテレビのCMにエキストラとして 出演してるそうです。
この情報だけでかなり笑ったのですが、 どんな感じで出演しているのか見れないのはとても残念です。

で、今日はほとんどなにもしていない。
やはりあたらしい研究をはじめたばかりのころ、っていうのはなかなかしんどいものがある。
前も、凸幾何からゲーム理論に乗り替わるときに一度経験しているのだけれども、なにしろ、前回はとてもスムーズに移り変わった。
というか、前回は移り変わった要因が内的要因だったのだけれども、今回は外的要因で移り変わっているので、そこら辺で噛み合わせが悪くなっているのかもしれない。
ということで、この週の残りは凸幾何を思い出しつつ、有向マトロイドに思いを馳せつつ、線形相補性問題にでも取り組もうかと思う。

また、牧野さんの日誌から。
4月8日のところです。
牧野さんへの感想、というよりは、そのリンクの先にある田崎先生(本人を存じ上げておりませんが)への感想になるのかもしれません。
若い人が数値計算を無批判にやる、っていうことについてですが、例えば、卒論とか修論の段階だと数値計算を行なってその結果で卒業する、っていうのは、純粋に理論的な結果を出すよりも研究テーマとして手軽であるなぁ、という気はします。
指導教官もそういうテーマを与えたがるのではないでしょうか。
最適化の分野も、アルゴリズムを実装して、数値実験を行なうということだけで卒論・修論としてる人もよくいます。
ただ、僕がよくわからないのは、最適化の分野では(多くの場合)アルゴリズム自体が研究の対象であるのに対して、物理などの分野ではアルゴリズム自体は対象ではなくて、モデル化された物理的な実体の方が対象であるので、そこら辺に差はあるかどうかなぁ、というところです。
物理や天文にでてくる数値計算とかで、差分の仕方とかスキームとか安定性とか、よくわかりませんが、そういうところが気になってくると、それはもう、「モデル化された物理的な実体」は、まぁ、どうでもよくて、そういうところになってくるとアルゴリズムの分野に近いのかな、と思います。

で、そこまではいいとして、田崎先生が問題にしているのは、そのように育った元学生の先生が数値実験だけで研究をたしなんでいるという実態、ということなのでしょうか。
「数値計算は航空写真で、真の探検は...」というのはわかりますが、うーん。
というか、結局のところ僕が物理学っていう分野をよくわかっていないのだと、今わかりました。
「物理的な実体」(があるものとして)というものそのものを扱うのがいわゆる普通の実験で、その「モデル化」になると理論が入って来る、のでしょうか。
でも、結局、実験をして、統計的にデータを扱う時点で「統計モデル」を使ってるわけだから、実験と理論も紙一重なような気がします。
で、「物理的な実体」そのものを計算機の中で模倣しようというのが数値実験で、おそらく、このときには計算機の中で模倣するための「計算モデル」と、その実験データを扱うための「統計モデル」が出てくるのかな、どうだろう。
そうすると、よくわからないのは純粋理論研究、っていうのは何なんだろう、っていうことです。
アインシュタインが相対性理論を発見した、という史実は、純粋理論なのかどうかちょっと忘れましたが、僕の記憶が正しければ、相対性理論の引き金になった観測事実っていうのがいくつかあったはずです。
自分でも何がいいたいのかわからなくなってきました。
結局、「理論研究」って何をさしているのか?っていうことなのだと思います。

で、ひとつ言いたいのは、数学の人はよく「数学的現象」ということばを使います。
つまり、「数学的な対象」っていうのがいろいろあるわけですが、それらの対象がもつ性質などを「観察」しているわけです。
ここで、「数学的な対象」っていうのは、例えば、ある種の関数空間とか、多面体とか、多項式環とか、そういうもので、観察される現象としては、例えば、微分方程式の初期値問題の(ある条件の元での)解の一意性とか、d次元多面体のグラフのd連結性だったり、ヒルベルトの零点定理(どうしてこの定理は英語の中でもドイツ語で言われるんでしょうか)だったりするわけです。
そして、こうした観察結果は、証明がついて定理になる。
で、そういう「数学的な現象」を追いかけているという言い方が許されるならば、田崎先生のいうような研究がまさに数学という分野で行なわれていることになると思います。
頭と計算機を使っていろいろな予想を立てて(実験と観察、航空写真)、そこから理論を作る(証明と定理、真の探検)。
いまの数学はこのどこを抜かしても成り立たないと思います。
あるいは、理論物理っていうのは、ほとんど数学なんでしょうか。

ということで、昨日まではプログラムを書いて観察しようと思っていたのになぁ。
うーん。
ちょっと観察のしかたを変えなくちゃいけないようです。


2002/4/8

驚くことに日本にある日記は放置してこちらだけ更新します。
誰が気づくのでしょうか。
誰も気づかないのかもしれないと不安にもなりますが、まぁいいでしょう。

といっても、はやくすべての作業をスイスでできるようにしたかったのですが、いろいろとうまくいかずにいました。
まず、日本語を入力したかったのですが、そのためにCannaを導入して、emacsからycを使えるようにしました。
しかしなぜか、漢字の辞書を読むことができなくて、ひらがなを入力するところまでしか成功しなかったのです。
で、わりと試行錯誤していたのですが、結局あきらめて、次の案として、日本から持っていったThinkPadで日本語を入力する、ということにしました。
ただ、これだとファイルの転送をする必要があるのでなかなか面倒です。
で、本当に面倒です。
面倒なので、更新回数が減ったり、たまにひらがなだけの日記が登場するかもしれないです。
ご了承ください。

で、今日やったことは、プログラミング。
結局Mathematicaで書いて、実行。
で、わかったことは、この方法では全然うまくいかない、ということ。
あるものの全列挙をしていたのですが、パラメータの値が3まではなんとかできたのですが、その値を4にするとどれぐらい時間がかかりそうか計算したところ、1年では終わらない、ということになったので、うまくいかない、ということです。
二重指数時間のアルゴリズムですからね。
しょうがないです。


2002/4/6

結局Mathematicaはフロントエンドが変なだけで、カーネルは大丈夫なので、GUIぬきでやることに。
だけども、なかなかおそいので、結局やめる。

あ、そういえば、論文が受理されました。
この論文は去年の正月頃から構想にはいって、だいたい2000年の12月から2001年の3月ぐらいに考えていたことで、論文自体は2001年の8月にできて、投稿して書き直しを2回ぐらいしてようやく受理されました。
僕にとって、ゲーム理論関係ではじめて書いたものなので、そういう意味でもなかなかうれしいです。
論文自体は今年の末頃に出版されるとおもいます。
Mathematical Methods of Operations Researchからでます。

で、実は新学期なので今週から授業がはじまっています。
別にとらなくてはならないものはないのですが、興味でひとつ授業をとることにしました。
内容は「メッシュ生成の幾何学」というような内容で、計算幾何の重要なところを、とくにメッシュ生成に関してやっていくようです。
今週は簡単な凸包構成アルゴリズム(いわゆる、Jarvisの包装法)とか、そこら辺を見ました。
ゆっくり丁寧にやってるので、いまは順調です。

それともう一つ。
研究室のセミナーに普通の学生が単位をとるために出席できるのですが、その単位のためにセミナーで発表するためによい論文をいくつか挙げてほしい、ということで、4つ挙げました。
できるだけ前提知識がなくても読めて、それでいて内容も貧弱ではなく、しかも古くないものを選考基準(もちろん、僕自身が内容を知っているもの)にしましたが、そういうものを挙げるのはなかなか大変でした。
今回はグラフのアルゴリズムから2つとゲーム理論から2つ挙げました。
挙げた論文はセミナーのトピックスのページから見れると思います。
よく見ると、他のメンバーの挙げてる論文はなかなか難しそうだなぁ、という気がして、もう少し難しい方がよかったのかなぁ、とも思ってます。
しかし、僕の能力もありますから、これぐらいで許して下さい。
で、テーマを選ばないといけない学生は3人なので、僕のを取る人がいるかどうかはまだわからないです。
もし僕の挙げた論文を選んでしまうと、僕はドイツ語が喋れないメンバーなので学生さんも僕も大変になるかもしれないです。
(これは学生さんが英語を喋るのに苦労する、っていうことでは決してなく、学生さんが僕の分けのわからない英語を理解しなくてはいけない、っていうことです。
だいたい、ETHの学生は普通に英語が喋れます。みんなぺらぺら。)

ぺらぺらで思い出しましたが、ここらへんの3月1日の14番に「外国に留学とかしないで1週間とか1ヵ月とかで上手くなる方が変だ。」とありますが、6ヵ月以上いるのに、全然うまくなりませんけども。
もちろんドイツ語にいたっては、話すとかそういうレベルではないです。
(しかし、この前、ドイツ語で道を聞かれて、英語で答えて(知らない、と答えて)、それで通じたときはなかなか感動しましたが。)
たぶん飲み込みがすごく遅いのだとおもう。
僕は何事も時間をかけてじっくりやらないとだめなようです。


2002/4/4

更新が滞っておりました。申し訳ないです。

というのは、コンピュータ環境もぜんぶETHに移そうとしたのですが、ネックとなる日本語入力がどうもうまくいかず、つまづいていたからです。
結局うまくいくのがいつになるのがわからなくなったので、とうとうこちらから更新することにしました。

ということで、最近はもっぱらCannaと格闘してました。
いまもしてます。

そのほか、Mathematicaがうまくうごかなくてあせる、とか、わりと順調ではないです。
ということで、研究という研究をほとんどしていない、といういいわけがぼろぼろできるのが、いいのかわるいのか。

実はまだ学生証もなく、いまは暫定学生証でくらしてます。

あえて前進したこと、っていうのをあげると、ちょっと書きっぱなしになっていた論文を、各方面の方々の意見を参考にして書き直して、投稿したことでしょうか。
さらに、別の投稿中の論文について、エディターから手紙が来て、レフェリーのいう通りに書き直せば受理されるとおもう、とあったので、それも進んだ点といえるかもしれないです。
もっとも、この論文は受理されるかどうか微妙だと自分で思っていたので、そういう意味ではわりと嬉しいです。
(まだ受理されたわけではないですが。)
で、もう一つ投稿中の論文がありますが、それはうんともすんとも返事がかえってこないので、3月の中旬ぐらいに催促をしました。
結果的に、催促の催促をしましたという通知は来たのですが、肝心なものはまだ届きません。
これはやっぱり論文が読みにくいせいなのかなぁ、とちょっと反省しています。
なにしろ場合分けが多すぎますからね。


2002年3月の日記


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Last modified:Tue Apr 30 23:08:26 2002