文献案内
「離散数学 (2012年度・先端工学基礎課程)」に関連する文献を紹介します.日本語のものだけを挙げます.
- 集合,論理について
「集合と論理」を扱った本はたくさんあります.以下の本は私がお薦めします.
- 中内伸光,「ろんりと集合」,日本評論社,2009年
- イラストつきで読みやすく,文体も平易で,扱っている内容もちょうどいいです.
- 渡辺治,木村泰紀,谷口雅治,北野晃朗,「数学の言葉と論理」,朝倉書店,2008年
- 上に挙げた「ろんりと集合」よりは難しいですが,しっかりとした本です.証明についても書いてあります.
以下,私は読んだことがありませんが,お薦めできそうなものを挙げます.
- 嘉田勝,「論理と集合から始める数学の基礎」,日本評論社,2008年
- おそらくいい本です.しかし,出版社で品切のようなので,入手は難しいかもしれません.残念です.
- 齋藤正彦,「日本語から記号論理へ」,日本評論社,2010年
- 証明の書き方について
「証明の書き方」を扱った本はあまりありません.以下の本の内容に講義の一部は沿っています.
- 松井知己,「だれでも証明が書ける」,日本評論社,2010年
- 講義でも使っている「使える性質と導く性質の表」による証明の書き方を解説しています.
- 離散数学について
「離散数学」の本はたくさんありますが,その内容にはかなりばらつきがあります.
- 石村園子,「やさしく学べる離散数学」,共立出版,2007年
- 題名に偽りなし,です.概念を理解するためにはよいと思います.述語論理は扱ってません.証明の問題があまりなく,そこが残念.
- Seymour Lipschutz,「離散数学」,オーム社,1995年
- たくさん演習問題があります (解答もついてます).述語論理は扱ってません.証明の問題があまりなく,そこが残念.
- J. マトウシェク,J. ネシェトリル,「離散数学への招待 (上・下)」,シュプリンガー・フェアラーク東京,2002年
- 離散数学を本格的に勉強するためにはよい本です.論理は扱っていません.内容は高度ですが,証明についてもしっかりと議論されています.しかし,シュプリンガー・ジャパンが和書出版事業を丸善に移したため,今この瞬間は,手に入れることができません.おそらく,将来的には,丸善から出版されることになるでしょう.
- その他について
- レイモンド・スマリヤン,「スマリヤンの決定不能の論理パズル」,白揚社,2008年
- 一般向けの本ですが,かなり本格的に論理学 (特に様相論理) を勉強できます.楽しいです.
- レイモンド・M・スマリヤン,「パズルランドのアリス (I・II)」,早川書房,2004年
- 一般向けの本で,全編パズルです.楽しいです.新品在庫はないようなのですが,古書としてなら手に入れられると思います.
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