日記


2004/9/10

論文を書くときに気を付けなくてはならない大切なものは何だろうか。
と考えて、「論理性」と「ストーリー性」を挙げてみたい。
「論理性」というのは、文章が論理的に筋道だっている、ということである。
論理に飛躍があってはいけないし、前後に整合性がないといけない。
これは科学論文と呼ばれるべきものが少なくとも持っていないいけないものだと思う。
それに加えて、「ストーリー性」というのは、文章の構成の滑かさみたいなものである。
数学っぽい論文だと、定義と定理と証明の繰り返しのようになってしまいがちであるけれども、
それらが全て論理的に正しいだけでは足りない。
それらをどのように配置するか、それらの間にどのような文を入れてつなげるか、ということで、
テーマの明確さや結果の重要性の見え方が変わってくる。

では、そのような論文の書き方はどのようにすれば身に付けられるのだろうか。
まず、「たくさん論文を読む」ということだと思う。
本当は「よい論文をたくさん読む」といいたいところなのだけれども、
実はよい論文を探すのはなかなか難しく、 読むまでそれがよい論文かどうかというのはなかなか分からない。
なので、とりあえずたくさん読むのである。
それがよい論文だと思ったら、それを真似るようにする。
そうでないと思ったら、それをどのようにしたらよくなるのかっていうのを考えてみる。
ということができると、かなりよいと思う。
もちろん自分はそういうことを実践しているわけではないけれども、
これから実践していきたいと思う。

はじめに挙げた2つのポイントを個別に見ると、
まず「論理性」のある論文を書くためにお薦めしたいのは 「演習問題を解く」ということである。
しかも、解いて解答を書き下す、ということである。
出来れば、書いたものを読んでくれる人がいるとよい。
離散数学とか組合せ論の周辺にいる人には、例えば、
Stanleyの数え上げ組合せ論の本にある演習問題とか、 Westのグラフ理論の本にある演習問題とか、 Lovaszの演習書の問題とか、そこら辺はかなりよいと思う。
(StanleyとLovaszの本は日本語訳あり。)
Westの本は去年グラフ理論の授業で教科書として使ったけれど、
演習問題も簡単なものから難しいものまで各種取り揃えてあってなかなかよい。
アルゴリズムの辺りだとどんな本がよいのだろうか。
あまりアルゴリズムの本を持っていないからわからない。
まぁ、とりあえず、演習問題を解くことはとても重要である。
こういうことは授業などでしっかりとやらないといけないことである。
演習問題をおろそかにしてはいけない。

一方、「ストーリー性」のある論文を書くためにお薦めしたいことはちょっと思い付かない。
なにかよい案があったら教えていただきたいところである。


2004/9/6

またチューリッヒに帰ってきました。
今回は1週間以上います。
先週まではDagstuhlにいました。
Dastuhlは初めてでしたけど、とても楽しかったです。
とてもよい施設です。かなりいいです。

ということで、今日は論文直しです。
一度に3つぐらい書いてるので頭が変になりそうです。
さらに、今日、また研究課題を見つけてしまいました。
これはまたなかなかよい問題です。どうしましょう。
一見して、全く取り掛かる手掛りがないんですが、どんな感じになるんでしょうか。


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Last modified:Sat Sep 11 00:10:15 2004