日記


2002/9/30

いつのまにか9月もおしまい,ということになってしまいます.
どうも9月は日記をサボりがちでいけなかったです.
反省して10月はもっと頻繁に更新することにしたいと思います.

ということで,実はスイスに来て1年が過ぎてしまいました.
もっとも7月8月はほとんど日本と中国にいたり,のべ2週間ぐらいはベルリンにいたりしてるので,実際は1年もいないわけですが,でも,まぁ,1年間何をやってきたかというと,いろいろありました,と.
いろいろな人にあって,その凄さに圧倒されたり,反面,自分に失望したりと,そんなことばかりで,頑張ろうとするのは気持ちばかりで,行動が全然伴わない自分に愛想がついたりもするのですが,何とかしがみつこうとしたり,というところでいろいろ考えたりするわけですが,なかなかうまくいかない.
ともかく,自分が夢見ることは大きいのだけども,どうやって近づいていったらいいのか全然見当がつかない.
やりたいことは山ほどあるのに,何一つできていない.
でも,何かしら進んでいかないといけない.

しかし,どういうことを目標にするべきか,という指針が見えたことはよいことかもしれないです.
日本にいただけでは「井の中の蛙」だったかもしれない.
今の状況が「大海を知る」という状況ではないかもしれないけども,研究っていうのはどういう風にやっていくのか,あるいは,やっていくべきか,っていうのが少し分かった気がする.
そのようにやっていけるかどうかは別の話で,自分がそのようにできているかは問題にするべきだけども,それは今後1年の課題ということで,今は努力目標にしておきたいです.

ということで,先週はCGCの秋の学校に行っていたわけですが,天気も悪く,9月から雪が降ったりして大変でした.
様子の方は写真を見てもらうことにして(トップページのPhotosから辿れます),1週間のスクールはさすがに長かった.
でも,それだけ内容も多く濃かったし,いろいろな人といろいろなディスカッションが出来た(といっても,数学的なことよりも文化的なことの方が多かったかもしれない)のがよかった.

それと研究上のこと.
Hungarian-Japaneseに投稿した.
ということで,発表は柏原さんですのでよろしくお願いします.
あと,応用数学合同研究集会の案内が来ていたのだけども,また参加できるか微妙です.
去年参加できなかったので今年は何とか,という思いは強いのですが,...,ということでもう少し考えないといけないです.


2002/9/20

extendable shellabilityっていうのはすごく限られた性質なので,いろんなものを考えたときにすぐ反例ができそうなものなんだけども,まだ慣れていないせいかなかなかできない.
いろいろな例を使ったり,コンピュータを使ったりしながら考えていく必要がありそう.

来週はCGCの秋の学校があるので,ほぼお休みです.
また写真を撮ってきたいと思います.
ただ,このところスイスは雨が多いので,天気が気がかりです.
良い天気だといいんですが.


2002/9/17

線形相補性問題,主座ユニモジュラ行列,デルタマトロイド,双劣モジュラ関数,束の区間族上の関数,LP-type問題,unique sink orientationなど,盛りだくさん.
いろいろと分からないことと興味深い事が入り混じる.
特に,主座ユニモジュラ行列の研究については1998年頃で進展が止まっている気がする.
問題が余程難しいのか,それとも問題が実はあまり興味深くないのか.

今日のセミナーでPavel Valtrが話をしたけども,よくわかった.
(あるいは,うまく丸め込まれた.)
このような離散幾何の話では,どのように悪い例(あるいは,良い例)を構成するかというのが重要なポイントになってくることが多いのだけれども,そういう意味で今回の構成法は鮮やかで,なるほど,と思わされた.


2002/9/16

来月の頭頃にあるワークショップのためのスライド作り.
だいたい完成.
ただ,最近の傾向として,説明がゆっくりになりすぎて,最後の方が窮屈になってしまう,ということがあるので,この辺りはしっかり発表練習をして,そうならないようにしないといけないです.

昨日とその前の日に,論理関数のことを調べていたのですが,論理関数と集合族の対応は,自分が思っていた対応とちょっと違うので,何かやりにくいです.
たとえば,正関数(あるいは,単調関数)っていうのがあると,その偽割当全体が独立集合族になります.
そして,正関数の中でシェラブルな関数っていうのがあります.
となると,期待するのは,正関数がシェラブルっていうことの定義はその偽割当全体が作る独立集合族を単体的複体だと思ったときに,その単体的複体がシェラブル,とすることなんですが,実はそうではないのです.
あと,マトロイド関数っていうのもあるんですが,これはサーキットとベースが逆転したような関数になっていて,こちらもちょっと分かりにくいです.
自分としては独立集合族の理論と対応するように論理関数の方に名前をつけてもらいたいのですが,しかし,もう名前は決まってしまっているものですし,おそらくこの名前のつけ方の方が論理関数の性質として都合がよいのでしょう.
ということで,この方向性の議論にはちょっと注意がいりそうです.


2002/9/13

論文書きと論文検索の日.
なかなか研究自体は進まないけど研究のアイディアはどんどん浮かぶ.
8月中に浮かんだアイディアもまだ具体化していないので,何とかせねばとも思うけども,そのためにやらなくてはいけない準備が多すぎるのも難点.
全くアプローチの方向性も分からないので,もう少し待った方がよいかもしれない.

ということで,今日は割と低調.


2002/9/11

昨日,Berndと少しディスカッションをして,線形相補性とかunique sink orientationとかの辺りの理解を深めた.
しかし,逆にいうと,あまりにも基本的なことを1年ぐらい見過ごしてきていたわけで,それはそれでショックでもある.
でも,まぁ理解できてよかった.
自分がよく分かっていなかったことというのは,正定値行列というのはP行列である,ということと,歪対称行列は半正定値行列である,ということ.
こういうことは基本的なのだけども,自分で確かめようとかあまり思わなかったり,あるいは線形代数的な部分の基本的な知識があれば証明できるのだけども,なかなかそうであると気付かなかったり,という感じで,理解できていなかったことになっている.
でも,これでBernd自身の構成法よりもよい構成法が(自明に)見つかったわけだから,ディスカッションした甲斐があったと思う.

で,最近はHungarian-Japaneseのアブスト書き.
ページ制限にかかりそうだけども,何とか持ちこたえられそうか,というところ.

日本にいる間に,なぜかアンチマトロイド熱が高まってしまったために,ちょっと大変なことになっている.
研究したいことがあるっていうことはいいことなんだけども,目の前にぶら下がっている研究テーマって言うのが沢山増えてしまって,しかも自分がやらないと他に誰もやらないようなものばかりあって,そこら辺をどうしたらよいものか,とちょっと困っている状況.
メールの上でいろいろと議論がされているけども,あの方向性は筋がよいのかどうなのかよく分からない.
その方向性については今は静観している,というところかもしれない.
本当は,もう少し本質的なこと(だと僕が思っていること)を証明したいのだけども,これはなかなか難しそう.
でも,示したい.

というのは,〆切効果を狙っているのですが,何を狙っているかというとSCGです.
来年はサンディエゴであるんですが,STOCとかとセットになっているので,お特な感じがします.
是非投稿して受理されたいものです.
(別にアンチマトロイドを無理にやらなくても,他のテーマでもよいのだけども.)


2002/9/8

更新をだいぶサボっていました.
申し訳ないです.

ようやくアジアを経つことになりました.
思えば長い間チューリッヒを留守にしていたわけで,その間中,いろいろな方にお世話になったり,研究の励みを頂いたり,ととても楽しく過ごす事が出来ました.
この場を借りてお礼申し上げます.

ICMから帰ってきてからは,割とボーっとしていました.
やらなくてはいけないことはまぁ,あるのですが,ちょっとお休み,といったところです.
ただ,本をたくさん買いました.
数学関係が主ですが,そうでないものも買いましたので,楽しみたいと思います.
寺田先生の本は基礎的な定義などもちゃんと書いてあるので,非常に読みやすくて満足です.

ということで,次の更新はチューリッヒから.
でも,またチューリッヒに着いてからもいろいろと忙しいのだから,うかうかしてられないです.
頑張らねば.


2002年8月の日記


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