論文はいろいろ訂正してどこかに載せました。
興味のある方は見つけてみて下さい。
容易に想像は付きそうですが。
というところで,線形相補性問題に手を出しつつある今日この頃.
私の行く末はいずこへ.
(というか,これでも自分の中では整合性を保っているつもり.)
とはいうものの、今月は割りと(研究面で)調子がよい。
ということで、今までの修行の甲斐があったというか、自分でも割りとよい発表ができたのでは、と。
というのは、聴衆の反応や、その後のディスカッションとかが割りとよい感じだったから。
自己点検として問題点をあげると、練習不足の英語と時間配分だろうか。
「練習不足の英語」に関しては、まぁ、しょうがないところもあって、スライドができたのが前日だったから、一日しか練習する時間がなかった。
これは全体の期間の短さから考えると仕方ない、と割り切ってしまったほうがよいかもしれない。
しかし、これでも英語は上達しているようで、なんとか乗り切れてしまうところがいいのか悪いのか。
そして、もう一点の「時間配分」は割りとシビアな問題かもしれない。
というのは、最近時間超過をしそうになってスライドを何枚かとばしてしまうことが多いからだ。
コンピュータを使って発表をすることの悪い点として、スライドをとばしていることを聴衆に見せつけてしまうというのがある、ということが新しい発見かもしれない。
無意識にスライドを作ると、30分の内容になるようにセットされている、ということも新しい発見かもしれない。
しかし、驚いたのは、他の人の発表があまりにもわからなかったことだ。
こういうときに人のせいにしてしまうのは自分らしくないけども、今回ばかりはそう思ってしまう。
経験ばかりの問題とも言い切れないような気がして、少し思うところがあった。
ということで、冬休みに突入。
こういうときにスキーにいったりすればよいのだけれど、まわりの人は総じて帰省などしてるし、無駄使いしないためにも、そういうことをせずに、ゆっくりと家でくつろぐ寝正月になる予定。
明日がプロジェクトの発表の日。
一応、なにか定理らしきものが得られてよかった、と思っている。
ふむ。
どういう反応が得られるのか、明日が楽しみ。
論文は軽く読んだ。
なんか自分の持っている「組合せ最適化」に対する考え方がゆがんでいるせいか、多面体的な話で議論を進めて行くのは面白い。
ところで、今週末の停電対策はどうなってるのでしょうか。
論文読み週間。
と小言をいった割りに、以下で研究以外の話がでてきてしまうのは、どういうことなのか。
昨日、二つパーティがあったので、その話。
一つは福田先生のさよならパーティ。
トロントに行かれてしまうので、そのお別れ会、というところです。
福田先生はこのプログラムに僕が申し込んだときに、ちょうどいろいろ質問をしたり、相談をしたりした先生でしたが、実はスイスに来てからはじめてお会いしたのでした。
あまり話す時間がなかったのも残念です。
で、パーティのスタイルは大学のゼミ室をつかった砕けた感じのパーティで、寿司や日本酒といった和風なものとパンとチーズとワインいった欧州風のものの両方が振舞われました。
そして、もう一つのパーティは誕生日会。
特に印象的だったのは、鍋にワインとオレンジジュースと各種スパイス(シナモン等)を入れて煮立たせた後、その鍋の上にラム酒にひたした砂糖の棒を掲げて、その棒を燃やす。
そうすると、ラム酒が青色で燃え上がって、それが融かした砂糖がワインの中に落ちて行く。
なかなかきれいでよい。
そして、燃え尽きたところでそのドリンクを飲む、といった嗜好。
暖炉に薪を入れたり、ロウソクが唯一の照明だったり、とてもよい感じだった。
以下、グラフ理論の用語が頻出しますが、御容赦下さい。
内周が5の連結なr-正則グラフを考えます。
例えば、rが2の場合は長さが5のサイクルになります。
rが3のときは有名なペテルセングラフになります。
しかし、rが4のときにはこのようなグラフは存在しません。
では、rがいくつのときにこうようなグラフが存在するのでしょう、というのが問題です。
これに対するHoffman-Singletonの定理は、
「もし存在するとしたら、r=2,3,7,57に限られる」というものです。
これはグラフの固有値を使って鮮やかに証明できます。
そして、ポイントは「もし存在するとしたら」というところです。
実際、r=2,3の場合は上に挙げたものが存在性を保証しています。
では、r=7の場合はどうでしょうか。
実はこの場合も存在することが構成的に示されていて、それは50個の頂点を持っています。
(内周が5、連結、r-正則という条件だけから、頂点数はr2+1以上になることがわかります。)
では、r=57の場合はどうでしょうか。
実はこの場合は存在性がまだ保証されていません。
もし存在するとしたら、頂点数は2810個になるわけですが、まだそのような性質を持つものが存在するのかしないのかはわかっていません。
というのが、おはなしです。
実際、感銘を受けたのは、「4つに限られる」というところと、その証明の鮮やかさです。
証明の鮮やかさはそれを示したHoffmanとSingletonがすごい、というところになりますが、
「4つに限られる」というところにはグラフの持つ神秘的な、不思議な、なんて言うんだろう、とにかく、対象としてすごく面白いわけです。
こういうことに感動できてる時点で頭が数学におかされてる気もしますが、別に構いません。
で、今日は何をしてたかというと、LaTeXと格闘。
解くに、alignat環境と。
CGCのページに来年のプレドクのお知らせがでてるのを発見.
来年の授業も面白そう.
日本のみなさん,是非応募して下さい.
(とか言って,自分が残れなかったら悲惨だけども.)
現在、近似アルゴリズムの勉強(&研究)に取り組んでいるが、やはり近年のいろいろな手法には驚かされるところが多い。
今日見つけたのは「Dual Fitting」という方法で、アイデアは単純ながら、これによってよい近似率が導けるのが面白い。
その他、「randomized rounding」とか「Primal-Dual」とか「Semidefinite Relaxation」とか「Iterative Rounding」とかやることはいっぱいある。
できれば、自分も新しい手法を提案したいところではあるが、そう簡単にいかないので、いまは取り敢えず目先の目標をクリアすることに専念しよう。
というか、いままでの研究の仕方がいけなかったのかもしれない。
「こうなるはずだ」という信念のもとで証明とかして、うまく行く場合に限って結果になる、という感じだから。
こういうふうにやっていたから、よく間違えるのだ。
今、地道な研究の仕方を学んでいるのかもしれない。
今日、ゼミでNesetrilが話をした。
グラフの彩色の話で、とても楽しかった。
しかし、彼は板書の字の汚さとOHPの字のきれいさのギャップがすごい。