日記


2003/3/31

なんと今日から新学期です.
夏学期のスタートで,いきなり授業です.
しかも今回はアシスタントの立場です.
科目は「理論計算機科学」で,今日は確率の復習をしました.
後で,確率アルゴリズムとかアルゴリズムの確率的解析で使うのだと思います.
授業はドイツ語なのですが大体フォローできました.
もちろんドイツ語を聞いて理解しているわけではなくて,
OHPに書いてある数式やわずかながらあるドイツ語の知識でフォローしているのです.
ちなみにアシスタントの仕事は演習をやることです.
学生が6グループに分かれて,岡本はそのうちのひとつを見るわけです.
学生は好きなグループを選べます.
岡本のグループは英語でやることになるのですが,それでも割りと人数が集まってしまいました.
朝早いんですけどね.なんででしょう.

もうそろそろ仁のことをまとめにかかろうと思って,
淡く描いていた証明のスケッチではなかなか細部が詰められないことが判明したので,
いろいろと試行錯誤する.
よく分かっていないことが何なのかが分かったので,そこをまず書き下すことにしよう.

COCOON 2003の受理論文リストが出てますね.
というか,自分たちの論文が受理されてますね.
とても嬉しいです.
ただ,どうして受理されたのか謎です.
他の論文のタイトルを見ると,
どう見ても自分たちの論文はちょっと場違いな感じがするのですが,まぁいいでしょう.
聴衆が誰もいないのでは,と心配にもなってきます.
まぁ,自分以外の論文がとても面白そうなので,それだけでも楽しみです.
場所もきれいそうですしね.わくわく.


2003/3/28

とうとう出版されたようです.
出版社の書籍情報によると4700円だそうです.
本自体もFedExによって届けられました.
厚さを測ったら原著とほとんど同じでした.
八森さんのページにも情報があるのでそちらもご覧下さい.
八森さんのページの方には正誤表などが出ることになります.

ということで,ボンから帰ってきたわけですが,ボンはなかなかよかったです.
ワークショップ自体もよかったですが,ボンそのものもよかったです.
ライン川沿いには桜がもう咲いていて,その近くにあるビアガーデンでビールを飲んでいたりすると花見をしている気分になります.
天気がよかったのが最高でした.
写真もあるのですが,それはまた後日掲載ということにしたいと思います.


2003/3/22

明日からボンなので,その準備をする.
準備というか,スライドをjpegにして,デジカメ付属のviewerで見たらどんな感じ見えるかを試してみたかった.
で,結果としてはそれほど芳しくなかった.
画質はよいのだけども,スライドショーでひとこまひとこまをきりかえるときに,
毎回,黒い画面が一瞬出てしまう.
GSViewではそういうことが起きないので,いちいち黒い画面が出てしまうと,
自分のパラパラまんが風スライドには不都合である.

ということで,今日の作業はほとんど無です.
そういう意味ではやったことはユーロを手に入れたことだけです.

もうそろそろ,Zieglerの本の日本語訳が出るので,
日本でどれくらい凸多面体が認知されてるか,ということでGoogleに聞いてみた.
というときに発見したサイトがこちら
なんか,diariesのところで先頭に来てるんですが,なんでなんでしょうね.
少なくとも,アイウエオ順ではないようです.
まぁ,それはともかく,こうやって面識のない方にリンクしていただけるというのはとても光栄です.
今後ともよろしくお願いします.

と,上の瀧川さんのところをいろいろ見ていて,PAC学習のことを思い出してしまった.
実際,この年末年始に日本に帰ったときに学習理論の本買ったし,Adam KalaiのSTOC論文とか読みたくなってプリントアウトまではしたけどまだ読んでないし,っていうところだった.
もっとも,学習理論は最近のアルゴリズム理論や計算理論のトレンドになっている.
個人的にはProperty Testingに興味がある.
Property Testingの分野はやはりイスラエルが強い.
(Dana RonやOded Goldreichがサーベイを書いているので,興味がある人はそこら辺をどうぞ.)
しかし,今はそれをやるには時間がなさすぎる,というか,それやりだしたらD論書けなくなると思う.
ということで,これは時間ができるまで封印ということになるかもしれない.
やりたいこととかアイディアは溜まる一方で,全然実現できていない.

で,上にGoldreichと書いて思い出したけれども,
Goldreichの本「Modern Cryptography, Probabilistic Proofs and Pseudorandomness」の日本語訳はたまに変な訳があります.
半正定値計画が半限定計画と訳されていたり,
alternating pathの訳と思われるものが「代替経路」になっていたりします.
この本のよいところは暗号理論を計算理論やアルゴリズムの観点から概観していることなので,
割りとalgorithmic mindが要求されるようです.

変な訳,で思い出したのは,「天書の証明」ですね.
組合せ論とグラフ理論のところはたまに笑ってしまいます.
訳者の方は岩波の数学辞典を参考にされたようなのですが,
岡本の手元に数学辞典はないので,
たとえば,数学辞典においてcliqueが「クリック」となっていたり,
linear programmingが「線形プログラミング」と訳されていたり,
optimalが「光学的」と書いてあったりするのか,ちょっとチェックできないです.
あと,巻末についている人名索引によると,
私の指導教官はチューリッヒ大学(Uni. Zuerich)の教授であることになっています.
これは間違いで,本来はスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zuerich)の教授です.
ということで,この訳書は今のところ個人的にはあまり信用していないものになっています.

という感じなので,岡本が訳したものに変なものがあって,笑ってしまうようなときには
教えていただけると幸いです.

ということで,来週はボンです.
おそらくボンからは繋げられないので,1週間ぐらい更新がないでしょう.
1週間後のFedExに期待します.


2003/3/21

今日,プレドクプロジェクトの発表会(の前半)があったので,聞きに行きました.
自分としてはどの話しも興味深かったです.
ところで,「前半」というのはどういうことかというと,「後半」が月曜日にあるからです.
二日に分けられているわけです.
というのは,今週いて来週いない人,とか今週いないけど来週はいる人,というのがあったりして,
なかなかスケジュールを合わせられなかったのでこのように二日に分けることになった,ということです.
ということで自分は「今週いて来週いない人」の部類になります.

arXiv.mathを見ていたら,Parisi予想の証明,という論文が出てたので早速ダウンロードしました.
証明してる人達は有名な人なので,それだけでも信憑性が高そうに思えてしまいますが,論文自体もそれ程長くないのでちゃんと読んでみたいと思います.
ちゃんと読めれば,ゼミ発表1回分のネタにはなりそうです.
ちなみにどういう予想なのか,というと,
割当問題を考えます.
つまり重み付き完全2部グラフが与えられていて,その最大重み完全マッチングを求める問題です.
この重みがランダム変数であるような状況を考えます.
この重みが各辺において独立にパラメータ1の指数分布に従うとしたときに,
最大重み完全マッチングの重みの期待値がある美しい形で書ける,という予想です.
この予想は2ヶ月前ぐらいから注目していて,時間があったらシミュレーションぐらいやってみようかな,と思っていたところでした.
また,ちょっとした拡張ネタのような研究テーマが思いつきやすいので,
本格的にやり始める可能性もあります.
どうなんでしょうね.


2003/3/19

ページ数制限と格闘.
LaTeXで「\!」とか「~」をどのように使うとどうやって行数が少なく出来るか,というテクニックを覚えた.
あまり賢いとは思えないけど.


2003/3/18

仁に関する話しが一段落付きそうな気配がしてきた.
本当はもうひと頑張りしたいところでもあるのだけれども,あまり関わってもいられないので,ここでひとまずやめということにしたい.
もっとも,ページ制限の関係から,これ以上結果があると困ったことになってしまいそうだし.

ということで次は何でしょう,ということになるのだけども,
来週はボンなので,その準備もしなくては,というところになって,
まだ次のことはできなそう.


2003/3/17

最近CPLEXを使っているのだけれども,そのスピードになかなか驚いている.
しかし高いらしい.
研究室にライセンスが一つしかないので,たまに競合してしまう.

来週ボンにいくので,その準備もしないといけない.
その他,先週までやってた仁に関する原稿も今月中に書きたいので,ちょっと忙しい週になりそう.

OR学会のプログラムで「マルコフ連鎖」っていうセッションがあるのに驚いてしまいました.
しかも著者が偏ってますし.


2003/3/13

仁をやっていたら,シャープレイ値のことが心配になったので,
見なおしていたら,心配した通り,証明に穴があった.
証明に穴があった,というよりは,もともと成り立たないことを示そうとしていた.
ということで,シャープレイ値は一からやり直しになります.


2003/3/11

引き続いて仁.
いろいろなことが有機的に結びついてきて面白い.

ということで,最近はゲーム理論にかかりっきりで,なかなかマトロイドまで頭が回らないといったところです.


2003/3/10

仁の計算について,ちょっと計算機でいろいろ試してみたところいろいろと面白そうなことが観察できました.
これだと当初思っていたよりも広いクラスに対する定理を構築できるかもしれないです.
それができれば面白さが増しそうなので,頑張りたくなってきます.

最近のチューリッヒはとても春めいてきています.
昼間はもちろんコートが要らないくらいで,日差しも強くなってきてサングラスが欲しくなります.
ただ,朝方と夜はまだ寒いので,そのときのためにコートを仕舞うことはまだできないです.


2003/3/6

今日はちょっとHirsch予想についてディスカッションをした.
もちろん解いてしまったということは全然ないのだけども,いろいろと考えをめぐらせた.
こういう議論をしていると,やっぱり多面体については分からないことだらけなのだな,と思う.

ちょっとWEBに載せるためだけの図を作るためにMathematicaと格闘.
なんとか描けたのでまぁよかった.


2003/3/5

仁の続き.
細部を詰めた後は,アルゴリズムの開発になる.
もっとも,多項式時間でできることがわかってしまった後では,もっと組合せ的なアルゴリズムを開発したい,というところになる.

ということで,仁の後でやりたいことをちょっと考えてみる.
多面体のことをもう少しやりたいけども,なかなか手がでないでいる.
Crosspolytopeの問題はかなり挫折してるので,実は反例があるのでは,とも思ってしまう.
あとはマトロイドの周辺.
実は最近マトロイドに凝っていたりもするのです.


2003/3/4

実は,昨日日記を更新していたんですが,index.htmlを貼りかえるのを忘れていました.
分かる人にだけ分かることばで書くと,
index.htmlはシンボリックリンクになってるので,月がかわる度に手動で切り替えています.
そもそも「index.html」と書いている時点で,分かる人にしか分からない気もします.
もっとも,ここに書かれてることは分かる人にしか分からないようになってることが多いのですが.

ようやく仁の計算に関して決着がついたような気がするので,あとはしっかり議論を詰めて論文にする,ということになります.
今日はこの件に関してとりつかれたようにやっていたので,その甲斐もあってか,ようやく進展した,という感じです.

それに比べて,単体的複体に関する研究はなかなか進展しないです.
実はプログラムを書いたりしてるんですが,なかなかうまくいかなくてちょっと困ったことになっています.

ちなみに,昨日発見したすごく小さいこと.
超単体 (hypersimplex) というのは,一様マトロイド (uniform matroid) の基多面体 (base polyhedron) のことですね.
これに気付いただけでちょっと嬉しかった.

そういえば,ある論文を(会議に)ようやく投稿しました.
この結果自体は一昨年のものなので,書き上げるまでに時間がかかってしまったのですが,ようやく書きあがってよかったです.

あと,自分の所属を間違えてしまうというのはよくなかったです.
間違えたことに気付いたので,その後一生懸命発音練習をしました.
特にはじめの長い単語はなかなか難しいです.


2003/3/3

3月です.
いまの流行は多面体とマトロイドです.
ゲーム理論がどこかへいってしまった,ということもないです.
全く困ったものです.

ようやく明日投稿できそうです.
なんか最近投稿してばかりな気がする.


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Last modified:Mon Mar 31 23:28:41 2003