離散最適化,離散アルゴリズム,離散数学,そして,それらの応用に関する研究をしています.
人間活動では「ものを考える」わけですが,研究も人間活動なので,研究でも「ものを考える」ということをします.この「もの」が研究対象であり,「考える」ための視点が研究方法になります.
数学は考えるための視点を与えるものであり,すなわち研究の方法論自体を探究する学問であるといってもよいかもしれません.(ただし,数学自身が発展してきたため,数学自身が研究対象になっている側面はもちろんあります.)
岡本研では数学を道具として様々な対象に切り込んでいく,ということをします.特に,私自身は離散数学が得意なので,離散数学的な見方,そして,計算・アルゴリズムを通した見方をしていきます.「道具が離散数学である」という以外に制限はないので,研究の対象として取り扱えるものに際限はありません.
「与えられた条件の中で与えられた目的を達成するための一番よい方法は何か?」という問題を探究する研究分野が最適化です.最適化の中で,条件が組合せ,順列,グラフといった離散的な構造によって課されるものを離散最適化と呼んでいます.現実社会にあらわれる多くの問題が離散最適化に関するものであるため,応用範囲は非常に広く,盛んに研究が行われている分野です.
ある目的を達成するための手順を記述したものがアルゴリズムです.特に,組合せ,順列,グラフといった離散的な構造に関するアルゴリズムが離散アルゴリズムであり,それを設計・解析する研究分野自身も離散アルゴリズムと呼ばれることがあります.離散最適化に現れる問題を解く手順も離散アルゴリズムであるため,離散最適化の研究と離散アルゴリズムの研究は密接な関係を持っています.
岡本研では,特に理論保証を持つ離散アルゴリズムの設計と解析を行っています.理論保証として挙げられるものは例えば
これらを理論的に保証することで,設計したアルゴリズムがどのような場面で有効であるのかという指針がはっきりしてきます.
また,実験によるアルゴリズムの振舞いの解析もしています.
組合せ,順列,グラフといった離散的な構造に関する数理を探究するのが離散数学です.離散数学的な考えが離散最適化や離散アルゴリズムには必要不可欠であり,また,離散最適化や離散アルゴリズムの研究から離散数学に関する問題が浮かび上がります.
離散数学の中でも特に,図形を対象とした離散幾何学と,その組合せ論的抽象化を研究しています.また,グラフ理論に関連する研究も行っています.
応用といっても様々な方向がありますが,この研究室では,実世界に直接応用するという立場ではなくて,実世界により近い他の学問分野に応用するという立場をもって「応用」と呼んでいます.これまでの研究では,ゲーム理論,情報可視化,バイオインフォマティクスに対する応用研究を行ってきました. 今後,この視点をより広い対象に拡充していきたいと思っています.
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